活動報告

2021年度第9回団体交渉を開催しました

2021.07.03

7月2日(金)18時30分~20時30分に今年度9回目の団体交渉を開催しました。

要求項目は前号のユニオンニュースでお伝えしたとおりです。

各項目について、今回も速報をお知らせします。議事録は後日upします。

 

(1)2020年度に未昇給であったサンライズ屋島の職員の内、請求を組合に委任している者に対して期間を遡って賃金を支払うこと

 

請求した組合員9名について、各人が昇給しなかった理由の丁寧な説明がありました。

その中で、欠勤が理由の数名については、「個人的な理由で欠勤して仲間に迷惑をかけたので有給休暇(以下、有休)を使うのは忍びない」が理由であったため、有休の残数を照会し、欠勤の日数よりも有休の残数が多い場合には賃金の支払いがあることを確認しました。

長期休暇が理由の組合員もいましたが、有休での長期休暇であったため、こちらも確認後支払われるであろうとの話でした。

「請求した9名」としていますが、内2名は昇給しており、法人に迷惑をかけてしまったことは反省点です。

 

 

(2)処遇改善手当他について、2020年度末に支給した施設長以下の役職とそれぞれの金額と根拠を明確に示すこと

さらには、事業所によっては役職者以外への支給も確認できているので、2020年度末の支給基準を明確に示すこと

 

「労働契約で『いくらくれるのかわからない』はダメ」「公益団体的側面がある中でのたとえ話として、『町長や助役の支給額がわからない』なんてことはない」「せっかく支給しているのに職員に不満があるのはもったいない」等の話をして、あっせんを経た今、労使が信頼のもとに交渉できるよう伝えました。

当初法人からは、「施設長と副施設長には、年度末には規定額の賞与以外に手当等は支給されていない」「透明性を求めるならば全員の給料も公開するのか」「すべてを透明化するなどありえない」「組合は公平性ではなく平等性(一律の金額)を要求しているのではないのか」等の言葉がありましたが、この項に時間をかけて説明した結果、従業員がある程度納得できるよう「一定の基準を示す必要はあるだろう」という言葉をもらえました。

一旦持ち帰って検討してもらえることになりました。

 

何度かお伝えしていますが、組合は、管理者や役職者に高額な手当てを支給することがおかしいとは言っていません。むしろ、コロナ禍や人員不足の中、施設運営に責任をもって尽力されている方々には多めに支給すべきと主張しています。指摘しているのは、その支給基準や根拠を明文化し、従業員が疑念を抱いたりやる気をなくしたりする状況を改善すべきだということです。これは、わかってもらえるまで声を出し続けます。せっかく法人持ち出しで支給しているのに従業員に不満があるのはもったいないと思います。

 

 

(3)処遇改善加算手当ならびに特定処遇改善加算手当の年度末の配分基準を統一し、恣意的に分配できる状況を改善し、透明性と公平性を担保すること

 

法人から年度末の分配方法についての説明がありました。ホワイトボードに図を示す、丁寧な説明でした。

簡単に説明すると、賃上げ等に使ったり毎月支給したりした残りを一旦法人に集め、各施設の状況に応じて分配し、それを施設長が従業員へ分配するということでした。

施設長からの分配については、「夜勤の有無」「欠勤の有無」「人事考課の結果」「ゴミ収集業務の有無」他、いろいろな配分基準があるとのことです。これは、今年度末までには従業員に示し、支給額に根拠を持たせるとの話でした。

一つ気になったのが、「一旦法人に集め、各施設の状況に応じて分配」です。以前の話では「各施設で残ったお金を法人が集めることはできない」であったと記憶しています。やや違和感が残りますが、これからは分配の基準が明確になるので、「あの人があんなにもらっている」「少ない私は法人には必要ないのか」等の不満や疑念が大幅に減ると考えます。

組合は、「金額の統一ではなく配分基準の統一を求めている」「恣意的に分配していると言っているのではなく、できる環境の是正を求めている」「支給額の差について、職員が納得できるようにしてもらいたい」と伝えています。(2)と併せて、支給基準もしくは支給額が一目瞭然であることが望ましいのは労使共通であると思います。

 

 

(4)2018年以降に副主任以上に昇格した職員の一覧を、各役職の経験年数と共に示すこと

組合員であることによる“見えない不当労働行為”がないかを確かめたく要求しました。

経験年数は示されませんでしたが、副主任以上に昇格した職員の氏名と所属施設を示してもらえました。

 

 

(5)法人の目指す職員教育や介護について、現状に沿った目標や方向性を示すこと

 

言葉遣い、昇格・降格について意見を出し合いましたが、この項以降は7月27日に開催することが決定した労使協議会で話し合いたいと思います。

 

 

(6)実用性のあるキャリアパス制度を早く導入し、帰属意識と意欲のある職員に明確な目標を示すこと

 

「キャリアパスや評価基準を具体化するということは、職員へ求めることが明確になる」「明確になれば昇格や降格を労使が納得できる」と伝えました。労使協議会で話し合いたいと考えています。

 

 

(確認事項)

新型コロナ予防接種に係る休業について

 

予防接種の翌日に体調を崩した多場合には積立有休の取得が可能です。体調を崩した証明は、リリックとサンライズの従業員は施設のドクターに、その他の施設の従業員は受診した医療機関のレシート等でいいとのことです。

国はコロナ関係の特別休暇について労使で協議することを推奨しています。積立有休の無い従業員の取り扱いについても次回の労使協議会で話し合います。

 

他には、「家族が濃厚接触者となった場合とか、出勤させられない場合の補償(安心して休める環境整備)」「利用者にコロナ陽性者が出た場合、対応する職員の宿泊場所等について」も話し合いたいと伝えています。

 

団体交渉終了間際に「貸付制度」について提案しました。

これは、組合員が四国労働金庫などの組合関係団体にローンの申し入れが多いことから、福利厚生の一環として法人が低金利で用途の制限のある貸し付けができないかという伺いでもありました。制度上、金貸しはできないとのことでしたが、もう一度制度を確認してもらえることになりました。

 

(次回開催日時)

団体交渉の開催は未定です。(1)の話が変わったり、(2)の回答が要求とあまりにかけ離れていた場合には即申し入れる準備をしています。

まずは(5)以降の項目について6月27日に開催が決定した労使協議会で話し合い、働きやすい環境作りと利用者に喜ばれる環境作りを少しずつでも目指します。

 

団体交渉とは関係のない余談ですが、昨今、日本の技能実習生制度は人身売買とか外国人労働者の搾取の悪用と世界で言われています。しかし、現在瑞祥会に来ている人たちは優秀であり、慢性的な人員不足の職場を助けてくれる救世主とも言えます。いつまで経っても応募のない日本人を確保するための方策を講じるのと同時に、技能実習生の受け入れも積極的に行う必要があります。私(船川)の家に遊びに来る多くのベトナム人技能実習生(瑞祥会とは無関係の人たち)はとてもいい人たちです。利用者のため、法人存続のため、みんなで温かく迎え、働く環境を良くしていきましょう。